■口臭は「セルフコントロール」できる(76)
今現在、口臭症に悩まされている方は、誰に頼めば口臭を改善してもらえるのかをとにかく知りたいかと思います。もちろんそれは、口臭外来という専門の診療科が存在していますので、根本的な治療は歯科医師たちに任せればよいといえます。ただ、今すぐにでも患者さん自身ができる対策も多々あります。ここでは口臭予防に有効なセルフコントロールについて詳しく解説します。
頻繁に水を飲む
口臭は、お口の中が乾燥することによって悪化します。口腔乾燥を防ぐためには、正常な唾液分泌が不可欠なのですが、そうした根本治療は歯科医師に任せましょう。患者さんが日常で行えるセルフコントロールは、頻繁に水を飲むことです。唾液分泌が抑制される原因は、様々な疾患によるものですが、水でもって口腔内を潤すという対症療法は、全員に共通して行えるセルフコントロールです。ちなみに水は、一度に大量に飲まず、口が潤う程度の量を頻繁に飲むようにしましょう。
利尿作用のある飲料を控える
コーヒーや紅茶などには利尿作用があるため、飲んだ後に唾液分泌が抑制されます。その結果、口腔乾燥を引き起こしやすくなるので、できるだけこうした飲料は控えるようにしましょう。ちなみに、ビールなどのアルコール飲料にも利尿作用があります。
唾液腺をマッサージする
唾液腺をマッサージすることで、患者さん自身がある程度唾液の分泌を促すことができます。唾液腺マッサージは、耳下腺、顎下腺、舌下腺をそれぞれ外側から揉みほぐすのですが、正確なやり方は歯科医師から学びましょう。唾液腺マッサージの方法は口臭外来で指導してくれます。その後は、日常生活の中で患者さん自身が適宜行っていきます。
鼻呼吸を意識する
鼻腔は天然の空気清浄機であり、加湿器でもあります。呼吸を口ではなく鼻で行うことで、口腔内の湿度は適切に保たれます。逆に、口呼吸が常態化すると、口腔も常に乾燥した状態になるため、口臭が発生しやすくなります。ですから、普段から鼻呼吸を意識するだけでも、口臭のセルフコントロールには大きく役立ちます。
まとめ
口臭の背景には、虫歯や歯周病、糖尿病や胃潰瘍といった様々な病気が隠れていることがありますが、これらは患者さん自身ではどうにもなりませんので医療機関に任せましょう。同時に、セルフコントロールできる範囲は、しっかり自分自身で補っていってください。上述したようなことを意識するだけで、口臭はかなり改善します。