口臭の検査では、唾液の性状を調べることがあります。唾液には様々な成分が含まれているだけでなく、口臭の原因となる物質も検出できるため、その性状を調べることは非常に有意義であるといえます。ここではそんな唾液性状検査でわかることを詳しく解説します。

唾液性状検査とは?

唾液性状検査とは、主に唾液に含まれる虫歯菌の数や種類を調べるものです。具体的には、ミュータンス菌やラクトバチラス菌などの数を調べ、その人がどのくらい虫歯になりやすいかを評価します。

口臭と関係あるの?

虫歯のなりやすさを評価することは、一見すると口臭との関わりが見えてきませんよね。ミュータンス菌やラクトバチラス菌が臭うわけでもないので、その数を調べることに何の意味があるのか、不思議に思うかもしれません。そこでまず、虫歯と口臭には深い関わりがあるということを知っておいてください。

虫歯は口臭の原因となる

虫歯になると、歯に穴が開いたり、亀裂が入ったりしますので、そこへ食べ物が堆積します。その結果、食べ物が腐敗して口臭を生み出すことがあるのです。また、虫歯になった部分では、虫歯菌によって産生されたニオイの物質が沈着していますので、これもまた口臭の原因となり得ます。

虫歯菌が多いほど口臭も発生しやすくなる

虫歯菌は口臭の原因物質を産生しますので、唾液性状検査によって虫歯菌が多いことがわかれば、その人は口臭も発生しやすい状態にあると評価できます。

その他の唾液検査

唾液検査には、その他、唾液の分泌量を調べるものもあります。唾液がどのくらい分泌されているかを客観的な指標で調べることで、その人が口腔乾燥に陥りやすいかを評価できます。口腔乾燥もまた口臭との関わりの深い症状ですので、唾液検査によって調べる意義は大きいといえます。

口腔乾燥が口臭の原因となる理由

多くの口臭は、その背景に口腔乾燥という症状が存在していることが多いです。口腔内が乾燥すること自体は、口臭へと直結しないのですが、その結果として口腔内細菌が増殖しやすくなるため、間接的に口臭を悪化させる要因となるのです。

まとめ

唾液を調べる検査では、口腔内の細菌数や唾液の分泌量などを評価することができるため、口臭の原因を探る上でも非常に有用な検査といえます。実際、口臭外来で唾液検査を行っている医療機関は少なくありませんので、機会があれば一度受けてみることをお勧めします。