口臭の原因というのは、口の中だけにあるものではありません。実は、耳鼻咽喉科的疾患も口臭の原因になり得るのです。ここではそんな耳鼻咽喉科的疾患と口臭との関連について、具体的な病気を挙げながら詳しく解説します。

口と喉と鼻はつながっている!

まず始めに、私たちの口と喉と鼻はお互い交通しているということを知っておいてください。鼻に関しては、鼻咽腔閉鎖機能というものがあって、その都度、閉じたり開いたりしていますが、基本的にはどれもつながっているのです。

口臭の原因となる耳や鼻の病気とは

空間的につながっているのであれば、どこに異常が発生しても、口臭の原因となり得ます。ここからは、個々の病気について解説します。

蓄膿症

蓄膿症とは、副鼻腔炎とも呼ばれる疾患で、文字通り鼻腔に膿がたまります。膿は細菌の死骸などで構成された物質で、非常に臭いです。それが副鼻腔や喉の奥の壁に付着することで、口臭の原因となります。

アレルギー性鼻炎

アレルギー性鼻炎では、大量の鼻水が分泌されます。それが喉の奥から口腔へと垂れ流され、口臭の原因になります。鼻水には細菌の死骸や分泌物が含まれますので、それ自体が口臭の原因となり得ます。また、アレルギー性鼻炎になると鼻が詰まるため、口呼吸をせざるを得なくなります。その結果、口腔内が乾燥し、口臭が発生しやすくなるのです。

扁桃腺炎

風邪などによって扁桃腺が腫れると、鼻腔を塞いでしまうため、口呼吸となります。これもまた口臭を誘発する原因となります。また、扁桃腺は免疫を担当している組織なので、扁桃腺炎でその機能が低下すると、口腔や鼻腔における細菌の活動が活発化します。

咽頭疾患

咽頭とは、簡単にいうと喉の奥の部分です。この部分に炎症や潰瘍が生じると、口臭の原因となることがあります。具体的には、咽頭炎や咽頭潰瘍といった病気です。

悪性腫瘍も口臭の原因になる!

鼻腔や咽頭に悪性腫瘍が発生した場合も、口臭の原因となるため要注意です。もしも上述したような疾患以外で口臭が目立ち、尚且つ悪性腫瘍が疑われる場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。

まとめ

このように、口臭というのは口腔だけでなく、鼻腔や副鼻腔、それから咽頭周辺に病気が生じることでも発生することがあります。特に日本人は、アレルギー性鼻炎や蓄膿症の人が多いので注意する必要があります。オーラルケアを一生懸命行っていても、なかなか口臭が改善されないという人は、その背景に耳鼻咽喉科的疾患が隠れているかもしれません。