病的口臭は、主に口腔内の異常によって発生します。とりわけ虫歯と歯周病の影響が大きいといえるでしょう。ここではそんな口腔疾患由来の口臭がどのように発生するかを詳しく解説します。
お口の中にはみんな常在菌を住んでいる!
前提として、私たちの口腔内には、誰しも常在菌が生息していることを知っておきましょう。常在菌には、虫歯菌や歯周病菌も含まれますので、誰しも虫歯や歯周病にかかるリスクがあるといえるのです。同時に、口臭が発生する原因も持ち合わせているといえるでしょう。
病的口臭のはじまりはプラークから
プラークとはいわゆる歯垢のことで、食後ブラッシングやうがいをせずに放置すると、自然に形成されていきます。プラーク中には食べかすの成分や虫歯菌などが大量に含まれています。この時点でまず、臭いは生じています。
虫歯菌が食べかすを分解する過程で悪臭が生じる
虫歯菌の好物は糖質です。ご飯やパスタなどに含まれる糖質を分解することで、彼らは旺盛に活動したり、繁殖したりすることができるのです。その過程で生じる分解産物の中に、口臭の原因となる物質が含まれています。つまり、食後にはもうすでに、口臭の元となるのものは発生しているのです。
プラークを放置するとやがて歯石になる
ブラッシングが不適切だと、歯と歯の間などにプラークがたまっていきますよね。これが数日から数週間放置されると、石灰化が生じ、歯石へと変化していきます。歯石は歯周病の原因となりますので、これもまた病的口臭のリスク因子となり得ます。
歯石の周りには歯周病菌が集まる
歯石は細菌が歯の表面に付着する上で、非常に便利な足場となります。それを利用するのが歯周病菌です。また、厄介なことに歯石というのは、歯と歯茎の間に溜まりやすいので、歯茎に炎症を引き起こします。これが歯肉炎となり、歯周病菌の活動をさらに活性化させるのです。
歯周病菌はタンパク質をエサにして生きている
歯周病菌は、糖質ではなくタンパク質をエサにして生きています。特に歯周ポケットの奥から生じる浸出液(血液などが含まれている液体)が好物で、それを分解する過程で臭いの物質が生じます。
まとめ
このように、病的口臭の原因は虫歯菌や歯周病菌が産生する臭いの物質ですが、その始まりはプラークなのです。ですから、食後にプラークをしっかりと除去すれば、病的口臭を予防することも可能といえます。