口臭外来を受診した経験がある人は、口臭外来についての口コミを聞いたことがある人なら、個々のクリニックで対応が異なることに気づかれたかと思います。その際、口臭症という病気への対応が統一していないことに不安を覚えたかもしれませんが、これは何ら不思議なことではありません。
医療はケースバイケース
口臭症の治療に限らず、どんな病気の治療においても、対応がすべて同じように統一されていることは稀です。例えば、歯の痛みを主訴として来院された患者さんがいた場合、全ての歯科医院がその歯を虫歯と診断して削るわけではありません。歯科医師によっては、削らずともフッ素を塗布することで再石灰化が見込めるため、経過観察することもあるでしょう。また、他の歯科医師が担当した場合は、万全を期して歯を沢山削るかもしれません。このように、医療は治療を担当する医師の考え方や技量、それから患者さんの病態に応じて様々に変化するのです。
口臭症は診断がとくに難しい病気
口臭症は、患者さんの主観による部分が大きい病気なため、診断も難しくなっています。上述したような虫歯という病気であれば、歯を診査することでその有無を判別できます。けれども口臭症は、息という目に見えないものを評価しなければならず、その他の病気とは少し異なるのです。また、口臭の有無に関わらず、それを気にするかしないかというのは、患者さん自身や周りの人の感覚に依存しているため、なおさら客観的評価が難しいといえます。
個々のケースで最良と思われる対応を選択している
多様性がある口臭症だけに、対応の仕方も千差万別です。それが一見すると、個々のクリニックで対応が異なり、ブレとして見えてくるため、口臭治療への信頼性が低下するという現象を招いているといえるでしょう。けれども実際はそうではありません。ひとりひとりの患者さんで対応が異なることは、それだけ丁寧な診療を行っているといえるからです。
まとめ
口臭症の治療は、個々のクリニックだけでなく、個々の患者さんで大きく異なってきますので、そういうものとして理解しておきましょう。医療においてケースバイケースで対応するということは、決して悪いことではないのです。とりわけ、対応が難しい口臭症は、ケースバイケースで対応してくれる柔軟な歯科医師に治療をお願いしたいものです。それが口臭症治療への近道といえます。