美味しそうなものを目の当たりにすると、私たちの口からは沢山の唾液が出てきます。食事の際にも多量の唾液が分泌され、食物を飲み込みやすくしていますが、実はこの唾液は口臭との関わりがとても深いです。そんな唾液の性質について、詳しく解説します。

唾液が口臭と関連がある理由

唾液には沢山の機能が備わっていて、それらが直線的にも間接的にも口臭の抑制に関与しています。

食べかすを洗い流す

食事の際に、私たちはほぼ無意識に食べ物を飲み込んでいますが、それは唾液がきちんと分泌されているから可能なのです。唾液は咀嚼によって噛み砕いた食物を塊にしてまとめ、いっぺんに飲み込めるよう作用しています。また、食べかすが口腔内に残らないよう、洗浄作用も兼ね備えているのです。

抗菌物質で細菌の活動を抑える

唾液にはリゾチームやペルオキシダーゼといった抗菌物質が含まれています。これらが虫歯菌や歯周病菌などの増殖を抑えることで、口臭の発生も予防しています。

咀嚼をスムーズにする潤滑作用

唾液に含まれるムチンなどは、食べ物をスムーズに噛めるようにする潤滑作用を持っています。これがあることで、私たちは咀嚼がスムーズになり、口腔内の食べかすなどが減っています。また、粘膜を保護する作用も期待できるため、食物で歯茎などが傷つき、感染を引き起こすのを予防する働きも持っています。

緩衝作用で口腔内を中性に

口腔内が酸性に傾くと、虫歯菌が元気になります。その結果、口臭の原因となる物質が大量に産生されてしまうので、口腔内はできるだけ中性付近に保つ必要があります。それを担っているのが唾液に含まれる重炭酸塩です。重炭酸塩が緩衝作用を示すことで、私たちの口腔内は、比較的無害な中性に保たれているのです。

とにかく唾液が正常に分泌されることが重要!

上述した通り、唾液は様々な点で口臭予防に働いている重要な物質です。それだけに、口臭を予防あるいは改善したいのであれば、とにかく唾液が正常に分泌されるよう、日頃からケアすることが大切です。具体的には、口腔乾燥を引き起こす口呼吸を改善したり、唾液分泌が促進されるマッサージを行ったりしましょう。

まとめ

口臭と唾液との関連は非常に深いものなので、そのメカニズムをしっかりと頭に入れておくことはとても大切です。唾液をいかにコントロールするかで、口臭との付き合い方も大きく変わっていきます。