口臭の治療を行う「口臭外来」という言葉はよく耳にしますが、実際にどのような治療を口臭症に対して行っているのか、あまり知られていません。そこで歯科に設置されている口臭外来について、その診療内容を詳しく解説します。
口臭外来は歯科にある?
口臭外来というのは、主に歯科に設置されています。なぜなら、口臭症の原因の8~9割は口腔内にあるといわれているからです。そのため、診療を行うのは主に歯科医師や歯科衛生士になります。
口臭外来での治療とは?
口臭症原因が口腔内にある場合、治療も歯や歯茎、それから舌に対するものがメインとなります。もしも事前の検査によって、口臭症の原因が口腔内に由来しているのではなく、消化管などに由来している場合は、内科との連携を視野に入れて、治療が進められます。鼻や耳に原因がある場合は、耳鼻咽喉科との連携が必要となります。
口臭の原因物質を取り除く治療
口臭症における口腔内の原因物質というのは、主にプラークや歯石です。歯に沈着したプラークや歯石を専用の器具で取り除くことで、口臭の原因を物理的に除去します。とくに歯石というのは、患者さん自身で取り除くことができない物質で、スケーラーなどを用いる必要があるのです。これらを一掃することで、ある程度の口臭改善が見込めます。それから、舌の表面に付着した汚れも、綺麗に除去していきます。舌苔は口臭に直接結びつく厄介な物質ですので、綺麗に清掃することが大切です。
口臭の原因となっている病気を治療する
虫歯や歯周病は、その病気自体が口臭の原因となりますので、歯科的治療が必要です。逆にいうと、虫歯や歯周病を治療することで、歯や歯周組織が健康になると同時に、口臭も改善されるのです。そういう点からも、虫歯や歯周病といった口腔疾患は、一刻も早く治療することが望ましいといえます。
適切なセルフケアの方法を指導する
口臭外来において、たまった汚れや病気になった歯を治しても、セルフケアを適切に行えなかったら、またすぐに口臭が再発します。それを予防ために口臭外来では、効果的なセルフケアの方法を指導してくれます。それを日常の中で実践することで、口臭をコントロールすることが可能となります。
まとめ
口臭外来といっても、実際は一般的な歯科治療にかなり近い内容となっていますので、そこまで身構える必要もありません。もちろん、口臭症の原因が口腔以外に由来している場合は、他科との連携も必要となりますので、まずは事前検査を受けてみることをお勧めします。