糖尿病は、血液中の糖質を上手くコントロールできなくなる病気です。重症化すると、全身に深刻な症状を引き起こすため、早期に治療することが大切ですが、意外に知られていないのが口臭や体臭といった副次的な症状です。ここでは糖尿病が原因で生じる口臭や体臭について詳しく解説します。

糖尿病由来の口臭とは

糖尿病で生じる口臭は、基本的にダイエットで生じる口臭と同じものです。具体的には、ケトン体によるアセトン臭というものが口臭となって口から発せられます。このアセトン臭というのは、別名ダイエット臭とも呼ばれるくらい、ダイエットでも頻繁に現れることがある症状です。

アセトン臭ってなに?

アセトン臭といっても、普段あまり耳にしない言葉ですので、どういったニオイなのかはなかなか想像しにくいですよね。例えるならフルーツが腐ったような甘酸っぱいニオイがアセトン臭の特徴です。

どうしてアセトン臭が生じるのか?

さて、糖尿病によってなぜアセトン臭が生じるのか、詳しく知りたいところですよね。アセトン臭の元になっているのは、ケトン体と呼ばれる物質で、これは体内の脂肪を分解する過程で生じます。普段私たちは、主に炭水化物である糖質をメインにエネルギーを作っていますので、その過程ではケトン体が大量に生じることはありません。それが糖尿病となると話は別です。なぜなら糖尿病では、血液中の糖質を全身へと移動するインスリンの働きが鈍くなっているからです。

すると、全身に存在している細胞たちは、主なエネルギー源である糖質が不足して、生命活動を営めなくなります。けれども、私たちの体には、沢山の脂肪が貯蔵されていますので、代わりにそれらを分解するようになります。その結果、副産物としてのケトン体が生じ、アセトン臭という独特なニオイを発するようになるのです。

体臭も同じ原理で発生する

糖尿病で生じる体臭も、アセトン臭が原因となっていますので、口臭が発生するメカニズムと同じです。これらを予防するためには、糖尿病の治療が必要となります。また、ダイエットで生じるダイエット臭も同じ原理で発生します。

まとめ

糖尿病では、体内で産生されるケトン体によって独特の体臭や口臭が発生します。それはアセトン臭と呼ばれ、スメルハラスメントの原因にもなります。ですから、原因疾患となっている糖尿病を治療することが何よりの対策法といえるでしょう。ダイエットに関しても、同じ口臭が生じますので、過剰な食事制限は控えるようにしましょう。