お口の中には、口臭の原因となる細菌が無数に生息しています。虫歯菌や歯周病菌がその代表ですね。これらの細菌は、口腔内に満遍なく生息しているわけではなく、いくつかの部位に集中していますので、それを知ることで有効な対策をとれるようにもなります。

口臭菌が多い部位

舌の表面

舌の表面には、口臭の原因となる細菌が集まりやすいです。舌は表面がザラザラとしていて、汚れや細菌が蓄積しやすい構造を呈しています。ですから、少しでもオーラルケアを怠ると、目に見える形で「舌苔(ぜったい)」が生じますよね。あの舌の表面に蓄積した白い苔のようなものには、無数の口臭菌が含まれているのです。

歯と歯茎の境目

歯と歯茎の境目は、磨き残しの多い部位です。ここにはプラークがたまりやすく、歯石の沈着も多くなっています。つまり、口腔内で最も虫歯菌や歯周病菌が多い部位といえるでしょう。この部位の清掃を徹底することで、虫歯や歯周病、それから口臭まで予防することが可能となります。

歯周ポケット

意外に見落とされがちな口臭菌のたまり場としては、歯周ポケットが挙げられます。歯周ポケットは、歯と歯茎の間にできた溝で、歯周病が悪化すると1センチ近くまで深まることもあります。歯周ポケットは、患者さん自身では目で確認することのできない部位であるため、清掃も困難です。それだけに、気づけば歯周ポケット内に歯垢や歯石が沈着し、悪臭の原因となっていることも珍しくありません。

口の奥にある扁桃

口の奥には、扁桃(へんとう)と呼ばれる部位があります。扁桃は免疫機能を担っていて、外部から侵入した細菌などを殺す役割を果たしています。その結果、生じるのがいわゆる「臭い玉」です。臭い玉は、細菌の死骸などで構成されており、扁桃のヒダの中にたまります。これが強烈なニオイを発するのです。細菌自体はもうすでに死んでいるので、「口臭菌が多い部位」という意味では、少し意味合いが異なりますが、口臭の原因となるのは確かです。

口臭菌が多い部位を集中的にケアする

舌や歯、歯周ポケットと、口臭菌が多い部位はある程度限られていますので、オーラルケアの際には、そうした部位を集中的に狙うことをお勧めします。逆に、その他の部位は唾液の自浄作用などによって自ずと綺麗になっていきますので、そこまで気を使う必要はありません。

まとめ

口臭菌が多い部位を知ることは、口臭の原因を突き止める際に役立ちます。もしもこれらの部位に何ら問題がないにも関わらず、強烈な口臭を発しているようでしたら、全身の異常が疑われますので、まずは医療機関を受診しましょう。