口臭症の検査は、主に歯科的検査と耳鼻科的検査に分けることができます。歯科的検査は口腔内の異常を調べるもので、耳鼻科的検査は呼気の臭いを調べたり、鼻や耳に由来する口臭の原因を探ったりする検査を指します。それぞれの検査では、わかることが異なります。

口臭の歯科的検査

虫歯を調べる

口臭の歯科的検査では、まず虫歯があるかどうかを調べます。視診によって、歯の表面に病変がないかを調べ、怪しいと思う部分には、探針などの器具を使って調べます。もしも歯の表面が虫歯によって溶かされている場合は、探針でその凹凸などを感知することができます。とりわけ黒ずんでいるような病変部は、口臭の原因となっている可能性が高いです。

その後、エックス線写真を撮るなど精密検査を行い、虫歯がどの程度まで進んでいるかも確認します。虫歯が進行していればいるほど、口臭の原因物質も増えてきますので、口臭との関連を評価することが可能となります。

歯周病を調べる

歯周病検査では、プローブと呼ばれる器具で歯周ポケットの深さや出血の有無などを調べます。深い歯周ポケットは歯周病菌の温床となるだけでなく、酸素が遮断されているという点からも、不快な口臭の原因となることが多いです。また、歯槽膿漏が確認された場合も、膿による悪臭が呼気とともに吐き出されることになりますので、口臭の原因となり得ます。

舌苔を調べる

舌の表面に付着している舌苔も虫歯や歯周病と同じように、口腔由来の口臭を生じさせます。舌苔に関しては、特別な器具などを用いなくても、視診によって検査することが可能です。

30624266 – young female person protruding white plaque on tongue

口臭の耳鼻科的検査

息のニオイを直接調べる

患者さんに息を吐いてもらって、検査者がそれを直接嗅いで調べる方法を官能検査といいます。官能検査は検査者の主観も関係することとなりますが、全くの他人がどのように感じるかを調べることも重要であるため、耳鼻科的検査では広く行われています。

呼気に含まれる成分を機械で調べる

患者さんの呼気に含まれる成分を機械によって調べる検査に、ガスクロマトグラフィー検査というものがあります。これは官能検査とは異なり、呼気中に含まれる成分を機械的に分析するため、極めて客観性の高い検査結果が得られます。

まとめ

このように、口臭検査は歯科と耳鼻科とでは、その方法や目的が大きく異なりますが、口臭の原因を突き止める上では、どちらも同じくらい重要であるといえます。