口臭を調べる検査には、人の鼻で口臭が感じられるかどうかを調べる官能検査と、専用の機器を使用して口臭の成分が含まれているかを調べる機器分析法とがあります。ここでは、診療の現場でも簡易的に行うことができる官能検査について詳しく解説します。

人間の主観的な感覚によって判定する検査

官能検査は、患者さんに息を吐いてもらって、医療従事者がそれを直に嗅ぐことによって、口臭があるかどうかを判定します。ですから、完全に人間の主観に頼った検査といえるでしょう。

客観的な方法じゃなくて大丈夫?

主観的な検査と聞いてまず不安に思うのが検査の精度です。病院における検査というのは、機器などを使用して客観的なデータを得た上で、診断を下すことが多いので、正確な結果がでるのか不安に思う気持ちもよくわかります。ただ、官能検査にも判定基準が定められていたり、しっかりとした検査手順などが確立されていたりしますので、有益な情報が得られることは間違いありません。

官能試験の判定基準

官能検査では、スコア0~5までで判定します。0は臭いなしで、1は非常に軽度の臭いありです。数値が上がるにつれ、強い口臭が認められ、5になると「我慢できない強烈な悪臭」という表現が使われます。

官能試験の種類と検査手順

官能検査は、臭い袋法とUBC式試験法という2種類が臨床の現場で主に実施されています。臭い袋法は、臭気採取用バッグに鼻から出た息と、口から出た息を分けて採取します。それらの臭いを嗅いで判定します。一方、UBC式試験法は、チューブを埋め込んだついたてを挟んで判定者と患者さんとが向かい合い、患者さんの姿を見ずに口臭の有無を判定します。

官能検査のメリットとは

口臭というのは、結局自分自身や周囲の人の主観によって感じ取られるものですので、検査の際も判定者の主観を活用することは、とても実際的といえます。

官能検査のデメリットとは

官能検査のデメリットは、客観的なデータが得られないという点です。機器分析法であれば、臭いの物質がどのくらいの濃度含まれているかを数値で知ることができますが、官能検査ではそれを知ることは不可能です。

まとめ

このように、官能検査は判定者が患者さんの口臭を感じるかどうかを判定できるため、とても実際的な検査である一方、客観的なデータが得られないため、一長一短であるといえます。万全を期すのであれば、両方の検査を受けることが望ましいといえます。