私たちの体は何らかの異常が生じると、それを知らせるためのサインを発するようになります。風邪を引けば熱が出たり、顔が赤くなったりしますよね。貧血だと、逆に顔から赤みが消えていきます。そんな風に、体はとても正直に反応しているのです。そこで注目したいのが口臭です。口臭の有無によってある程度、健康状態を調べることは可能です。

お口の中に病気がある場合

虫歯や歯周病といった病気がある場合、口腔内から強烈な悪臭が漂うことがあります。これらは口腔由来の病的口臭といって、口臭全体の中でも、かなりの割合を示します。ですから、口臭が目立つ人に対しては、まず虫歯や歯周病がないかを調べます。
その他、お口の中で口臭になり得る原因としては「舌苔(ぜったい)」があります。舌苔とは、舌の表面に付着した細菌や食べかすなどの汚れで、これが強烈な口臭の原因となることもあります。いずれにせよ、こうした口腔由来の口臭は、お口の中の健康が害されているというサインですので、しっかりと受け止めなければなりません。

消化管から発せられるサインもある

胃や腸の調子が悪いことでも、口臭が発生することがあります。つまり、消化管に由来する口臭ですね。例えば、胃に潰瘍や炎症が起こっている場合は、口臭がきつくなることがあります。あるいは、糖尿病という全身疾患でも口臭が発生することがあり、口臭は全身の健康状態を反映しているとも考えられます。ですから、口腔由来ではない口臭が疑われた場合、全身のどこかに異常がある可能性も否定できないため注意が必要です。

タバコによる口臭も体のからの警告?

ヘビースモーカーは、口臭がきつくなりがちです。タバコに含まれるヤニの臭いはもちろんのこと、喫煙によって口腔内の血流が悪くなり、免疫力も低下します。その結果、口腔内細菌が活発化するので、口臭が発生しやすくなるのです。これはお口の中の健康そのものを害しているといえるでしょう。喫煙といえば、肺の病気を引き起こす原因として有名ですが、口腔内に対しても様々な悪影響を及ぼしているのです。ですから、タバコによる口臭も体からお警告として受け止めましょう。

まとめ

このように、口臭が発生していると、体の何らかの異常が疑われます。逆に、無臭の息は健康の証といえるでしょう。それだけに、常に口臭のない体を目指したいものです。口臭は体からの有益なサインとして、きちんと受け止めていきましょう。