口臭というのは、あくまで主観的なものであって病気ではないと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、実際は「口臭症」という病名もついており、国際口臭学会という団体も存在しているくらいです。この学会は医学的な観点から、口臭症を3つに分類しています。ここではその3つの口臭症について、詳しく解説します。

真性口臭症

真性口臭症とは、社会的な容認限度を超える明らかな口臭が認められるケースで、さらに細かく「生理的口臭」、「口腔由来の病的口臭」、「全身由来の病的口臭」の3つに分類されています。

生理的口臭

生理的口臭とは、原因となる病気はないものの、普段口にしている食品や嗜好品(お酒やたばこなど)が要因となって生じる口臭です。病的口臭と比べると、臭いのレベルは低いです。

口腔由来の病的口臭

口腔由来の病的口臭は、虫歯や歯周病が原因となる口臭です。真性口臭症の大半を占めるもので、臭いのレベルも高いです。

全身由来の口臭

全身由来の口臭は、消化器系の疾患や糖尿病といった全身疾患が原因で生じる口臭です。口腔由来の口臭ほど臭いは強くありませんが、独特の臭気を放ちます。

仮性口臭症

仮性口臭とは、真性口臭症のような口臭は認められないものの、患者さん自身はそれを強い口臭と訴えているケースが当てはまります。検査結果で異常がないことを伝え、カウンセリングを行うことで訴えの改善が期待できる口臭です。

口臭恐怖症

口臭恐怖症とは、真性口臭症や仮性口臭症に対する治療では訴えの改善が期待できないケースが該当します。つまり、実際は口臭が生じていないにも関わらず、カウンセリングを受けても引き続き症状を訴え続けてしまうということです。こういったケースでは、精神科や心療内科との連携が必要となってきます。

まとめ

このように、一言で口臭といっても、それを医学的に分類するとなると、かなり細かく分けることができます。このうち、真性口臭症のような原因疾患が明確なものは、医療機関側も対処がしやすいのですが、口臭恐怖症ともなると、医学的な治療やカウンセリングが通用しなくなってしまいますので、対応にこまることでしょう。それでもやはり、口臭というのは、社会生活を営む上で、非常に大きな障壁となることが多いため、多くの人が敏感になるのは理解できます。ですから今現在、口臭に悩まれている方は、まず自分がどの口臭症に該当するのかを知ることから始めましょう。