歯を失った際の治療法に、インプラントというものがあります。入れ歯やブリッジと比較すると、インプラントは様々な点で優れているため、最近では希望する患者さんが増えてきています。そんなインプラントが原因で口臭がキツくなる、という話をどこかで耳にしたことがあるかもしれませんね。先端医療であるインプラントで、果たして口臭が発生しやすくなるのか、その真偽について詳しく解説します。

インプラントだけが口臭の原因になるわけではない

まず始めに、インプラント特有の口臭というものはありません。インプラントにせよ、他の補綴物にせよ、口腔内に異物が存在すると、そこにプラークなどがたまりやすくなり、口臭の原因となることがあります。そのため、インプラントを含む補綴物のほぼ全てが口臭の原因となり得るということを知っておきましょう。

インプラント周囲炎が口臭の原因になる

インプラントにはインプラント周囲炎という、特有の病気があります。これはインプラントの周囲にプラークや歯石がたまりやすいために生じる歯肉炎です。そうして蓄積するプラークや歯石が口臭の原因となることは考えられます。また、インプラント周囲炎自体が口臭を発生する要因となり得ます。

天然の歯に近いけれど丁寧なケアが必要なインプラント

インプラントは、天然の歯と見た目や機能が限りなく近いので、患者さん自身も本物の歯と同様のケアで済ませてしまうことが多々あります。けれどもやはり、インプラントも入れ歯やブリッジと変わらない人工物ですので、天然の歯よりもさらにキメの細かいケアが必要となるのです。

ケアが不十分だと口臭以外にも重大なトラブルが

インプラントを装着している人がオーラルケアを怠ると、まず始めに口臭が目立つようになります。続いて、インプラント周囲炎のような具体的な病気を発症し、最終的にはインプラントが脱落するというトラブルにまで発展しかねません。ですから、インプラント治療を受けた人は、口臭が発生しないレベルでプラークや歯石の沈着をコントロールしましょう。そうしなければ、口臭どころの話ではなくなってしまいます。

7467294 – a young woman shows off her teeth while holding a bottle of mouthwash. horizontal shot.

まとめ

インプラントは、天然の歯と比べるとプラークが蓄積しやすいため、口臭を発生させたり悪化させたりする要因と考えることができます。とはいえ、それはブリッジや入れ歯も同じでるということを知っておきましょう。ただし、放置することで重症化しやすいのはインプラントです。